育休に入って、しばらく経ったころ。
人生で初めて、ブリーチをして髪を青くしました。
育児とは何の関係もない話です。でも、育休という期間について考えるきっかけになったので、記録しておきます。
ずっとやってみたかった
髪を明るくしてみたい、という気持ち自体は、前からありました。
でも、ずっとやらないままでした。理由は、はっきりしています。
私は理学療法士として働いています。
患者さんの体に触れ、近い距離で話をする仕事です。相手には、ご高齢の方も、体の不調に不安を抱えている方もいます。そういう人の前に、青い髪で立つ自分が想像できませんでした。
職場によっては、身だしなみの規定があることもあります。それ以前に、自分の中で勝手に線を引いていたという感覚のほうが近いです。
- 患者さんの目が気になった
- 職場の規定のこともある
- 人からどう見られるかが気になった
- きっかけがなかった
- なんとなく、自分がやるものだと思っていなかった
最後のひとつが、いちばん大きかったかもしれません。禁止されていたわけでもないのに、自分の選択肢から外していた。
育休に入って、ふと思い立った
そんな私が、なぜ急にやったのか。
単純です。しばらく仕事に行かないからです。
育休は数ヶ月あります。その間、患者さんの前に立つことはありません。つまり——
やるなら今しかない。
深く考えたわけではありません。育児の合間に、ふと「あ、今できるじゃん」と思っただけです。そのまま美容院に行きました。
ブリーチも初めてでした。髪の色が抜けていく過程を鏡で見ながら、ちょっとした冒険をしている気分になりました。
周りの反応は、拍子抜けするほど何もなかった
さて、問題はここからです。
何年も「人からどう見られるか」を気にして踏み出せなかったわけですから、当然それなりの反応があると思っていました。
結果です。
- 妻……「いいね」と言ってくれた
- 自分の両親……特になし
- 義理の両親……特になし
- 友人……特になし
何も起きませんでした。
先日はお宮参りがあって、両家の親がそろう場面もありました。いわばいちばん「見られる」日です。青い髪のまま行きました。
それでも、誰も何も言いませんでした。写真にもそのまま写っています。
気にしていたのは、自分だけだった
ここで気づきました。
人からどう見られるかを気にしていたのは、他でもない自分自身でした。
誰かに止められたわけではありません。批判されたわけでもありません。頭の中で「たぶん良く思われない」と想像して、勝手にやめていただけでした。
これは育児でも同じことが起きているな、と思いました。「こうすべき」「普通はこうする」と思い込んで、選択肢を狭めていることがある。実際にやってみたら、誰も気にしていなかったりする。
復帰のときは、自然に戻ります
よく聞かれるので書いておくと、復帰前にわざわざ染め直すつもりはありません。
そのままにしておけば、色は抜けていきますし、根元から新しい髪も伸びてきます。放っておけば、そのうち元に戻ります。
青くするときも、戻すときも、大ごとにしない。それくらいがちょうどいい気がしています。
育休は「制約が外れる期間」でもある
最後に、これを書いておきたいです。
育休は、もちろん大変です。自由な休暇ではありません。24時間体制で赤ちゃんと向き合う日々で、自分の時間はほとんどありません。
ただ、その一方で——
仕事上の制約からは、一時的に離れている期間でもあります。
スーツを着なくていい。時間に追われなくていい。そして、髪の色を気にしなくていい。
それまで「仕事だから」という理由で当たり前に諦めていたことが、この期間だけ、なぜか手を伸ばせる場所にある。
髪を青くしたくらいで人生は変わりません。ただ、「やってみたかったことが、一つ消化された」という感覚は残りました。それは、思ったより悪くないものでした。
育休中で、なんとなく気が滅入っている人がいたら。ずっとやってみたかったけれど、仕事があるからと諦めていたことを思い出してみてください。
今なら、できるかもしれません。


