出産予定日の1ヶ月ほど前、私はこのブログにこう書きました。
「父親になる実感が、まだわかない」と。
妻のお腹は大きくなっているのに、自分の体も生活も何ひとつ変わらない。頭では分かっていても、気持ちが追いつかない。そんな正直な戸惑いを、そのまま記事にしていました。
あれから約2ヶ月。息子が生まれて、1ヶ月が過ぎました。今、父親になった実感はわいたのか。その答えを、正直に書きたいと思います。
結論:まだ「はっきりと」ではない。でも、少しずつ
先に結論から書きます。
まだ、はっきりとした実感には至っていません。でも、確実に少しずつ湧いてきています。
「生まれた瞬間、雷に打たれたように父親になった」——そんなドラマチックな変化を、正直どこかで期待していました。でも、実際はもっと静かで、じわじわとしたものでした。
もし今、出産前の私と同じように「実感がわかない」と悩んでいるパパがいたら、この記事が少しでも安心材料になればと思います。
実感が湧いた5つの瞬間
この1ヶ月を振り返ると、「あ、父親になったんだな」と感じた瞬間が、いくつかありました。
- 産声を聞いたとき
- 抱っこをしているとき
- おむつを替えているとき
- 沐浴をしているとき
- 名前を決めたとき
並べてみて、あることに気づきました。
産声を聞いたとき
分娩室で聞いた、あの声。あの瞬間に感じたのは、感動と、うれしさだけでした。
ただ正直に言うと、その時点ではまだ「自分が父親になった」という感覚とは、少し違ったように思います。目の前で起きていることの大きさに、気持ちが追いつくのに時間がかかりました。
抱っこをしているとき
初めて抱っこしたときの感覚は、今でもはっきり覚えています。軽くて、小さくて、温かい。
そして今も、抱っこするたびに少しずつ実感が積み重なっていきます。腕の中にいる重み、体温、寝息。理屈ではなく、体で感じるものなんだと思います。
おむつを替えているとき/沐浴をしているとき
意外だったのが、この2つです。
おむつ替えも沐浴も、感動的な場面ではありません。むしろ、毎日繰り返す地味な作業です。でも、この子の世話を自分の手でしている、という事実が、静かに実感を育ててくれる感じがあります。
沐浴は、最初は緊張しました。小さな体を支えながら洗うのは、想像以上に神経を使います(ちなみにわが家は、シャワー浴のほうが両手を使いやすくてやりやすかったです)。
それでも、慣れてくると「今日もちゃんとやれた」という小さな積み重ねが、自信のようなものに変わっていきます。
名前を決めたとき
もうひとつ大きかったのが、名前を決めた瞬間です。
出産前の記事では、「画数や五行を調べて迷っている」と書いていました。でも最終的に決まったのは、まったく別のきっかけでした。
産後の施設から家へ車を運転していたとき、いつも自分がサーフィンをしている海が目に入りました。その瞬間、サーフィン仲間と海に入っている光景や、近所の人たちとバーベキューをしている風景が、ぶわっと浮かんできたんです。
「たくさんの人が集まって、笑い合っている場所」。そんなイメージが、この子に願うことと重なりました。そこから、海にちなんだ名前に決まりました。
名前を決めるという行為は、この子の人生に、親として最初の贈り物をすること。決めた瞬間、確かに「親になったな」と感じました。
気づいたこと:実感は「世話をする行動」から育つ
5つの瞬間を並べてみて、気づいたことがあります。
そのほとんどが、「自分の手でこの子に関わったとき」だということです。抱っこも、おむつも、沐浴も、名前を考えることも。
実は出産前、おさがりを夫婦で確認した日に、私はこう書いていました。
「無理に実感がわくのを待つのではなく、妻が気づいた準備を、積極的に一緒にやることを意識しよう。気持ちが追いつかなくても、まず行動から」
今思えば、この方針は間違っていなかったようです。
つまり、実感がわくのを待ってから動くのではなく、動くから実感が育つ。順番が逆だったんです。
これは、出産前の自分に一番伝えたいことかもしれません。
実感がわかなくても、焦らなくていい
妊娠中、私はずっと引け目を感じていました。妻は日々、体で赤ちゃんの存在を感じている。それに比べて自分は――と。
でも今なら分かります。それは当たり前のことだったんだと。
母親は、10ヶ月かけて体の中で命を育てます。父親には、その経験がありません。だから実感が遅れるのは、ダメなことでも冷たいことでもなく、単に「スタート地点が違う」だけなんだと思います。
そして父親の実感は、生まれてから、世話をする時間の中で少しずつ育っていく。それでいいのだと、今は思えています。
まとめ:まだ途中。でも、確かに育っている
生後1ヶ月の今、私の実感はまだ「途中」です。ドラマのような劇的な瞬間は、正直ありませんでした。
でも、毎日おむつを替えて、ミルクをあげて、沐浴をして、名前を呼んで。そうやって過ごすうちに、少しずつ、確実に育ってきています。
出産前の私と同じように「実感がわかない」と悩んでいるパパへ。焦らなくて大丈夫です。気持ちが追いつかなくてもいいから、まず手を動かしてみてください。抱っこでも、おむつでも、名前を考えることでも。
その積み重ねの先に、きっと実感はついてきます。
この続きは、また半年後、1年後に書きたいと思います。そのとき自分がどう感じているのか、今から楽しみです。


