育休を取る前、私が想像していなかったことがあります。
長期の育休を取ったパパも、メンタルを崩すことがある。
産後のメンタルの話は、たいていママのこととして語られます。実際そのとおりだと思います。ただ、長く仕事から離れて、家の中で赤ちゃんと向き合い続けるという状況は、父親にとっても初めての経験です。
この記事は、そのことに気づいて息抜きの時間をもらうようになった話——そして、自分の思い込みに気づかされた話です。
育休中のパパも、メンタルを崩すことがある
きっかけは、人から聞いた話でした。長期間の育休を取っているパパも、メンタルがやられやすいというものです。
最初は「そういうものかな」という程度でした。でも実際に育休が2ヶ月、3ヶ月と続くと、なんとなく分かってきます。
- 社会とのつながりが薄くなる感覚
- 毎日が同じことの繰り返しに見えてくる
- 成果が目に見えない(仕事とは評価の軸がまったく違う)
- 家の中で過ごす時間が圧倒的に長い
誤解のないように書きますが、育休を取ったことを後悔しているわけではまったくありません。この時期に子どもといられることは、間違いなく貴重です。
ただ、「幸せであること」と「消耗しないこと」は別の話なんだと思います。
妻に相談して、息抜きの時間をもらった
そこで、妻に相談しました。趣味の時間を少しもらえないか、と。
ここは、勝手に決めなかったところです。「息抜きしてくるわ」ではなく、なぜ必要だと思っているかを話したうえで、了承をもらいました。
結果として、この時間はかなり効きました。体を動かして帰ってくると、頭の中が整理されているのが自分でも分かります。育児に戻ったときの余裕が、明らかに違う。
「息抜きは甘えではなく、機能を戻すための時間だ」——そう実感しました。
なお、わが家は家事全般をもともと私が担当しています。その前提があってこその話なので、そこは書いておきます。
ある日、気づいてしまいました
しばらくして、ふと思いました。
自分は息抜きできている。でも、妻はどうなんだろう。
考えてみれば、妻が一人で出かけた時間は、産後ほとんどありませんでした。私は了承をもらって出かけているのに、妻には同じ時間がない。
これは、はっきり不公平です。
しかも私は、その状態を「仕方ないこと」として受け入れていました。なぜなら——
「授乳があるから無理だろう」と思っていた
これが、私の中にあった前提でした。
母乳で育てている以上、長時間家を空けるのは難しい。だから妻が出かけられないのは仕方がない。そう、勝手に結論を出していたんです。
でも、冷静に考えれば分かります。その時間だけミルクにすればいい。搾乳という方法もあります。数時間であれば、選択肢はいくらでもある。
つまり、無理だったのではなく、私がそう決めつけていただけでした。
そもそも、提案すらしていなかった
そして、いちばん問題だったのはここです。
「一人で出かけてきたら?」と、一度も言っていませんでした。
自分が出かけるときは、ちゃんと相談して了承をもらっていたのに。妻に対しては、提案という発想そのものがなかったんです。
家事をやっているから、抱っこを代わっているから——そういう「やっていること」で、自分の中では帳尻が合っていた気になっていました。でも妻が一人になれる時間をつくることは、そのどれとも別の話でした。
聞いてみたら、妻はもう予定を立てていた
そこで、あらためて妻に聞いてみました。一人で出かけたいときはないか、と。
返ってきた答えは、予想外のものでした。
「来月、母と音楽のコンサートに行く予定を立てたよ」
すでに、自分で動いていたんです。
私が「妻には一人の時間がない」「授乳があるから難しいだろう」と一人で悩んでいた横で、本人はさっさと予定を組んでいた。
正直、少し笑ってしまいました。そして同時に、自分の思い込みの強さに驚きました。
- 「無理だろう」と決めつけていたのは、相手ではなく自分
- 気を回しているつもりで、ただ聞いていなかっただけ
- 相手は、こちらが思うより自分で動いている
- 先回りして察するより、聞くほうが早くて正確
息抜きは、交代でするもの
今回のことで、考え方が変わりました。
育休中の息抜きは、「してもいいかどうか」を議論することではありません。どちらかが我慢して成り立つ形にしてしまうと、いずれ必ず歪みます。
必要なのは、お互いが一人になれる時間を、交代でつくること。そしてそのためには、まず相手に聞くことでした。
私の場合、自分の息抜きについては相談できていたのに、妻の分については聞いてすらいませんでした。気づかないうちに、一方通行になっていたわけです。
来月、妻がコンサートに出かける日。私は初めて、長時間ひとりで子どもを見ることになります。正直、少し緊張しています。でも、それをやってみないと本当の意味で交代にはなりません。
育児中の気分の落ち込みや不眠、強い不安が続くときは、父親・母親を問わず相談できる窓口があります。自治体の子育て世代包括支援センターや保健センター、産後ケアの相談窓口などです。「自分が甘えているだけだ」と思って我慢してしまう人ほど、早めに誰かに話してみてください。
まとめ:察するより、聞く
「育休中に趣味へ出かける夫」と聞くと、身勝手に思われるかもしれません。私自身、書きながら少し身構えています。
ただ、親が消耗しきった状態でする育児が、子どもにとって良いとは思えません。息抜きは、育児から逃げる時間ではなく、育児に戻るための時間でした。
そのうえで、今回いちばんの学びはこれです。
相手の状況を、勝手に決めつけないこと。
「授乳があるから無理だろう」「疲れているから誘わないほうがいいだろう」——気づかいのつもりでも、聞かないまま結論を出すのは、ただの思い込みです。
今からでも遅くないので、聞いてみてください。「一人で出かけたいときある?」——それだけです。

